金柑(きんかん)の焼き菓子

今まで金柑を使った焼き菓子は作ったことがありませんでしたが、

鹿児島の美味しい金柑が手に入ったので、今年はいろいろと作ってみました。

 

焼き菓子屋の金柑を使った焼き菓子を待っていた・・という方もおられて、

思いのほか美味しいものができて良かった・・・・。

 

使った金柑は鹿児島の生食用の「春姫」という品種。

鹿児島県のJA南さつまで生産されている県指定ブランドの柑橘で、

秋から冬にかけて温室の中でじっくりと熟期を待ち、

開花(7月上旬~中旬)から210日以降の2月前後に収穫、そして出荷されるとのこと。

 

 糖度16度以上、Lサイズ以上、果実全体が濃いオレンジ色でおおわれているもの、

という基準を全てクリアしたものだけが「春姫」ブランドとなるそうで、

生のまま食べても『あまくておいしい』果実として注目されているとのこと。

高級品なんですね。

この金柑を生で使うほかに、焼き菓子のフィリング用にコンポート(甘煮)にしました。

 

生食用なので下茹でせずに半分に切って種を取り、

甜菜グラニュー糖(金柑重量の約3割)をまぶして、

少なめの水(シロップ)で蒸し煮のように時間をかけないで煮ていきます。

これで色よい凝縮された金柑のコンポートが出来上がるはず。

一晩そのままにして完成。


色あいもよく、酸味もあり、幾分苦味が足らないかなという感じですが、

そのまま食べてもおいしいコンポートです。

シロップもお湯や炭酸で割ってもおいしそう。

 

ガラスの保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。 

生の金柑とこのコンポートを使った焼き菓子をいろいろと作ってみました。

 

金柑のタルト

 

アーモンドクリームに金柑のコンポートを入れ、

トッピングにフレッシュな金柑をのせてしっかりと焼き上げた贅沢なタルトです。

金柑のほろ苦さ、甘酸っぱさ、フレッシュなジューシーさが、

濃厚なアーモンド生地とバランスよく調和して、

和のテイストでありながらも、

しっかりとバターやアーモンドの香りの活きた味わい深いタルトになっています。 



金柑のマフィン


マフィンは生の金柑のみを使います。

種を取って小さく切った金柑に、調理直前に粗製糖をまぶします。

それをたっぷりと生地に入れ、

トッピングには大きめの金柑とクランブルをのせて焼き上げます。

金柑のフレッシュな酸味とほろ苦さがクランブルとよく合ったマフィンで、

甘さを抑えた上質な味わいとなっています。


たっぷりと入った金柑を噛みしめると、

ジュワっとしたエキスが出て、口の中が金柑の香りでいっぱいに・・・・。

その香りと甘酸っぱさの余韻も長く続き、飽きの来ない味わいのマフィンになっています。


金柑のブラウニー


チョコレートと金柑の組み合わせで何か焼き菓子を・・・・。

マフィンもココア生地で試作してみましたが、今ひとつしっくりこなくて。


で、ねっとりと濃厚なブラウニーにしてみました。


噛みごたえや味わいの中にちょっとした違い(変化)を楽しんでもらえるよう、

金柑は生とコンポートの両方をブレンドしてレモン果汁を加えています。


2種類のクーベルチュールチョコ、バター、小麦粉、

甜菜グラニュー糖、卵、塩、膨張剤を混ぜてできた生地に

金柑をサンドして、焼きすぎないように注意して焼き上げます。

ねっとりとした濃厚なチョコレートの味わいの中に、

金柑の苦さと酸味が加わって、

リッチな大人のブラウニーができました。

 

小さく切って少しづつ愛おしみながら食べたいブラウニー。

濃いコーヒーやウィスキー、スピリッツなどと一緒に食べる大人のスイーツです。